コラム
不動産投資をするなら確定申告は必須!節税に役立つ知識や必要書類をご紹介③
不動産投資における確定申告について解説してきた本シリーズ。
最終回となる本記事では、不動産投資の確定申告における節税ポイントをご紹介します。
なお、不動産投資における確定申告の基本を知りたい方は第1章を。
必要書類やそれぞれの書き方については第2章をご覧ください。
不動産投資の確定申告が節税につながる仕組み
一般的に「不動産投資は節税しやすい」と言われています。
なぜなら、「減価償却費」があることによって不動産所得が赤字になりやすく、「損益通算」が行いやすくなるためです。
損益通算を行えば、本業の収入にかかる所得税を軽減することができます。
住民税は所得税によって算出されるので、所得税の軽減は住民税の節税にも繋がります。
これが、不動産投資が節税につながる仕組みの基本です。
不動産投資を節税につなげる4つのポイント
とはいえ、いくら「不動産投資は節税しやすい」と言っても、ポイントを押さえなければ節税効果も薄れてしまいます。
不動産投資を節税に繋げたい方は、この段落でご紹介するポイントをしっかり押さえておきましょう。
節税目的なら必ず青色申告を選ぶべし
白色申告に比べて控除が多く、節税に繋がりやすい青色申告。
不動産投資で青色申告を行うには条件があり、確定申告時の手続きも複雑になりますが、節税効果を求める方には青色申告がおすすめです。
不動産投資で青色申告を行うための条件 65万円控除を受ける場合事業規模(5棟10室が目安)で不動産投資を行っていること確定申告時に、複式簿記で記帳した必要書類を提出すること確定申告時に、e-Taxを用いて電子申告すること(税務署で行う場合は控除額が55万円に減額) 10万円控除を受ける場合青色申告申請を行っているが、上記の条件には当てはまらないこと |
なお、青色申告承認申請書を提出してからも、必要に応じて白色申告を選ぶことができます。
不動産投資を行う場合は、事業規模に関わらず、ひとまず青色申告承認申請書を提出しておくようにしましょう。
経費に組み込めるものを知り、漏れなく経費計上すべし
計上する経費が多ければ多いほど、不動産投資による所得を引き下げることができます。
よって、節税のためには、経費に計上できる項目を漏れなく把握しておくことが重要です。
不動産投資において経費計上できる主な項目は以下のとおりです。
- 不動産管理費
- 不動産修繕費
- 不動産修繕積立金
- 不動産ローンの利息
- 不動産管理会社への委託金
- 不動産にかかる各種保険料(火災保険や地震保険など)
- 不動産にかかる各種税金(固定資産税や不動産取得税など)
- 減価償却費
- その他、不動産投資において発生した諸経費(運営に関わる交通費や通信料金、新聞図書費など)
中でも重要となる「減価償却費」について、次の段落で詳しく解説します。
減価償却費を理解し、上手に経費計上すべし
減価償却とは、「購入価格が大きいモノ(通常10万円以上)は、購入した年に全額を費用計上するのではなく、何年かに分割して費用計上していこう」という考え方のことです。
減価償却費は、経年劣化する建物や附属設備に対してのみ発生し、土地に対しては発生しませんのでご注意ください。
減価償却費の求め方 減価償却費 = 建物価格 ÷ 減価償却期間(建物の法定耐用年数) |
上記の計算式から分かるとおり、減価償却費を算出するには建物価格の把握が欠かせません。
不動産の購入時に「総額○万円(建物・土地価格合計)」という形でしか金額を把握できていないと、減価償却費において損をしてしまう可能性があります。
建物・附属設備にのみ生じる減価償却費を最大限利用するためにも、不動産購入時にはしっかりと話し合いを行い、総額における建物価格の割合を引き上げるようにしましょう。
サラリーマン大家は損益通算をマスターすべし
サラリーマンや自営業の方など、不動産投資以外に本業で収入を得ている場合、給与所得(本業の所得)と不動産所得を合算して課税所得を算出します。
この算出方法のことを「損益通算」と言います。
前述したとおり、減価償却費をうまく使えば赤字計上がしやすい不動産投資。
不動産所得が赤字になれば、そのぶん給与所得にかかる税金を低く抑え、大きな節税効果を得ることが可能になります。
もちろん、減価償却費は実際には発生しない経費ですので、減価償却費による赤字を恐れる必要はありません。
まとめ
3記事にわたり、不動産投資における確定申告について解説してきました。
不動産投資を行う以上は切り離せない確定申告。
面倒だからといって投げやりにせず、しっかりと知識を蓄えて適切な対応をすることが、不動産投資の成功や節税に繋がります。
この記事が、あなたの不動産投資をより良くするために役立ちましたら幸いです。