コラム
不動産投資はいくらから始められる?必要な年収や初期費用について解説
「思い立ったら誰でもすぐに不動産投資を始められる!」
そう謳う不動産投資関連書籍やセミナーもありますが、残念ながら、必ずしもそうとは限りません。
不動産投資を始めるには、ある程度まとまった額の「初期費用」が必要となるためです。
この記事では、不動産投資をいくらから始められるのか、その目安や相場を解説します。
サラリーマンが不動産投資を始める目安は「年収500万円、自己資金300万円」
大枠の目安ではありますが、サラリーマンが不動産投資を始めるにあたっては「年収500万円、自己資金300万円」が必要になると言われています。
年収が500万円以上でないと、不動産投資ローンの融資審査時に不利になります。
いかに有利な条件で不動産投資ローンを受けられるかが不動産投資の肝になりますので、年収500万円以下というのは大きなネックになってしまいます。
自己資金が300万円以上ないと、突発的な出費に耐えられない可能性が高くなります。
設備が突然故障したり、急ぎの修復が必要になることは、不動産投資においてそう珍しいことではありません。
そうした突発的な出費に備えるためにも、一定の自己資金を蓄えておく必要があります。
年収・自己資金ともに不足している場合には、REIT(不動産投資信託)などを通じて収益をあげ、まず自己資金を蓄える期間を設けることも大切です。
自己資金の多さは、不動産投資ローンの審査を有利に進める材料にもなりますよ。
不動産投資を始めるにあたって必要となる初期費用
不動産投資を始めるにあたっては、大きく以下の3つの初期費用が発生します。
- 各種手数料
- 各種税金
- 保証料・保険料
こうした初期費用の総額は、おおむね【物件価格の3~5%程度】になるのが一般的であると言われています。
これに加え、融資の頭金として【物件価格の10%程度】が発生しますので、初期費用全体として【物件価格の13~15%程度】を準備しておく必要があります。
もちろん、個人や物件の属性によって相場は大きく変動しますが、ひとつの目安として覚えておくと役立ちますよ。
それでは、それぞれの具体的な内容と、費用相場を見ていきましょう。
各種手数料
不動産投資を始めるにあたっては、
- 不動産会社への仲介手数料
- ローン事務取扱手数料
- 司法書士への手数料(不動産登記手続きにおいて)
などの各種手数料が発生します。
中でも高額になりがちなのが「不動産会社への仲介手数料」です。
仲介手数料の上限額は、以下の計算式で算出できます。
- 不動産売買価格が200万円以下の場合:取引額の5%
- 不動産売買価格が200~400万円以下の場合:取引額の4%+2万円
- 不動産売買価格が400万円以上の場合:取引額の3%+6万円
※価格はすべて税抜
上記はあくまで上限額ですので、実際の手数料は不動産会社や物件によって変動します。
各種税金
不動産投資を始めるにあたってはさまざまな税務処理が発生し、
- 固定資産税・都市計画税
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 印紙税(収入印紙代)
などの費用が必要となります。
固定資産税は、物件の固定資産税評価額の1.4%。
都市計画税は、物件の固定資産税評価額の0.3%を上限とする範囲の中で、物件のある市町村によって変動します。
登録免許税は、不動産登記の申請を行うにあたり、国に収めるべき税金のことです。
不動産登記といってもさまざまな種類があり、不動産の種類や登記内容などによって税率が細かく変動します。
詳細は『No.7191 登録免許税の税額表|国税庁』をご覧ください。
印紙税は、紙で契約書を交わすにあたって必要となる税金のことです。
印紙税の金額は契約書に記載されている金額によって変動し、
- 契約金額が1,000万円~5,000万円以下の場合:2万円
- 契約金額が5,000万円~1億円以下の場合:6万円
が基本の税額となっています。
ただし、この税額や税率は変動することもありますので、印紙購入の前には、国税庁のホームページで最新情報をチェックすることをおすすめします。
保証料・保険料
- 火災保険料
- 地震保険料
- 不動産投資ローンの保証料
なども初期費用として必要になります。
不動産投資ローンの多くは火災保険料への加入を融資条件のひとつに定めていますので、不動産投資において火災保険への加入は必須といえます。
長期的な運用を考慮するのであれば、地震保険にも加入しておくといいでしょう。
高額になりがちな不動産投資ローンを組むにあたっては、ローンの保証会社と契約することが一般的です。
保証料を一括で支払う場合には、借入金額の2%程度。
金利を上乗せして支払う場合には、0.2~0.3%程度を上乗せした利息を支払うこととなります。
まとめ
改めて、いくらから不動産投資を始められるのか、その目安や相場をおさらいしておきましょう。
- 不動産投資を始められる目安は「年収500万円、自己資金300万円」
- 不動産投資の初期費用の大枠の相場は「物件価格の13~15%程度」
これから不動産投資を始めようという方にとって、この記事がひとつの目安となりましたら幸いです。