コラム

外貨投資のメリット・デメリットは?巨大市場で国際色豊かな投資を

さまざまな投資方法を検討するにあたり、より広い視野をもって「外貨投資」を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、

  • 外貨投資の基本
  • 主な外貨投資の種類
  • 外貨投資のメリット
  • 外貨投資のデメリット

について分かりやすく解説しています。

投資方法の検討材料として、ぜひこの記事をお役立てください。

外貨投資とは

外貨投資とは、「外貨建ての金融商品(=円を外国の通貨に替えて購入する金融商品)」を運用して行う投資方法全般を指します。

金融商品の運用自体による運用益に加え、為替レートの変動によって生じる差益を得ることを主な目的としています。

外貨建て金融商品の種類はさまざまあり、膨大なラインナップの中から自分に合ったものを選ぶことができますが、

  • 外貨預金
  • 外国株式
  • 外貨建てMMF
  • 外国投信
  • 外国債券
  • 外貨建て保険

あたりが特にメジャーな商品となります。

選べる外貨の種類も豊富で、米ドルやユーロはもちろん、豪ドルや英ポンド、スイスフランなど、さまざまな種類から選択することができます。

金融商品と外貨の組み合わせ方次第で実に多種多様な運用ができますので、ご自身の目的や理想に応じた投資を実現しやすいという魅力があります。

主な外貨建て金融商品

続いて、外貨建て金融商品の中から主だったものを見ていきましょう。

外貨預金
外国の通貨で預金すること。一般的に、日本円よりも外国の通貨のほうが金利が高い傾向にあるため、利息による収入も期待できる。
外国株式
海外の企業が発行している株式(外株)を対象とした投資方法のこと。世界的に有名なグローバル企業や、日本企業よりも配当利回りが高い企業などを投資先として選ぶことができる。
外貨建てMMF
MMF(Money Management Fund)とは、公社債やCP(コマーシャルペーパー)、CD(譲渡性預金)といった短期の金融商品を中心に運用する投資信託の一種。株式は投資対象に組み入れず、低リスクかつ安定した運用を目標とする。日本円で運用するものを日本円MMF、外貨で運用するものを外貨建てMMFと呼ぶことも。
外国投信
外国の法令に基づき、外国で設定された投資信託のこと。「会社型」と「契約型」に大別され、上述した外貨建てMMFも外国投信に含まれる。外国と日本では運用規制が異なるため、日本では設定できない種類の商品を設定することもできるという魅力がある。
なお、「外国の株式・債券などで運用する投資信託=外国投信」ではなく、あくまで「外国で設定された投資信託=外国投信」である点に注意。外国で設定されたものであれば、たとえ日本株で運用される投資信託であっても外国投信となる。
外国債券
発行市場・発行体・通貨のいずれかが外国である債券のことで、国内の債券よりも金利が高い傾向にある。「外債」と省略して呼称することも多い。場合によって「外貨建て債券」のことのみを外国債券とすることもある。
外貨建て保険
払い込んだ保険料が外貨で運用される保険商品のこと。原則、保険料の払い込みも受け取り(保険金や解約払戻金など)も外貨で行われる。日本よりも金利が高い外貨で運用されるため、円資産よりも高い成長性が期待できる。

外貨投資のメリット

さまざまな手法で取り組むことができる外貨投資。

そんな外貨投資のメリットは、主に以下の4つです。

  • 為替の動きによる利益が狙える
  • 金利水準が高い外貨もある
  • 巨大なマーケットで幅の広い投資ができる
  • 分散投資がしやすい

為替の動きによる利益が狙える

外貨建ての金融商品を購入するためには、日本円を外貨に交換(売買)する必要がありますが、外貨の買付時と売却時の為替レートの差によって利益や損失が発生します。

たとえば、「1ドル=100円」の時に100ドル(=1万円)を買い付けたとしましょう。

売却時の為替レートが、

  • 「1ドル=120円(円安)」となっていれば、日本円では1万2,000円に=2,000円の利益(差益)
  • 「1ドル=90円(円高)」となっていれば、日本円では9,000円に=1,000円の損失(差損)

となります。

為替レートは日々変動しますので、円安のタイミングを狙って売却することによって為替差益の獲得が期待できます。

金利水準が高い外貨もある

日本では低金利が続いていますが、外貨によっては金利水準が高いものもあります。

豪ドルやNZドル、メキシコペソなどが特に人気の高い高金利通貨です。

高金利にはそれ相応のリスクも付随しますが、高い金利収入は大きな魅力であると言えます。

巨大なマーケットで幅の広い投資ができる

世界中が投資対象となる外貨投資。

そのマーケット規模は日本国内のそれとは比較にならないほど巨大で、日々動いている金額も桁違いです。

そんな巨大マーケットで、高金利の投資先や成長性の高い企業などを見つけられることも、外貨投資のメリットです。

分散投資がしやすい

投資をするうえで「分散投資」によるリスクヘッジは欠かせませんが、外貨投資を組み入れれば国際的な分散投資が可能となります。

また、複数の通貨・複数の外貨建て金融商品に分散投資することで、より一層分散効果を高めることもできます。

外貨投資のデメリット

さまざまな魅力を備えた外貨投資ですが、もちろんメリットだけではありません。

外貨投資に取り組む際には、以下のデメリットも把握しておきましょう。

  • 円高になると一転して為替差損となる
  • 両替時には為替手数料がかかる

円高になると一転して為替差損となる

メリットの段落で為替差益について触れましたが、円高となった場合には一転して為替差損となる点には注意が必要です。

相場の変動次第で利益が出ることもあれば、損失が出ることもあるのが投資の常。

外貨投資の場合は、金融商品そのものの相場だけでなく、為替レートの変動にも気を配っておくことが重要です。

両替時には為替手数料がかかる

外貨投資の際に注意しておきたいのが「為替手数料」の存在です。

為替手数料とは、日本円と外貨を両替する際にかかる手数料のことです。

円→外貨、外貨→円に両替する際の両方で為替手数料が発生します。

為替手数料は銀行や外貨の種類によって異なりますが、米ドルの場合は「1米ドルにつき1円」の為替手数料が発生することが一般的です。

あまり頻繁に売買を繰り返してしまうと為替手数料が嵩んでしまうため、こうした意外な隠れコストにも留意しておきましょう。

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