コラム
その契約、ちょっと待った!若者を狙った悪質な投資詐欺にご注意
儲け話と巧みな話術で消費者を惑わせる詐欺。
残念なことに、そんな詐欺のターゲットとして「まだ社会経験の少ない若者」が狙われることも少なくありません。
今回は、不動産投資詐欺でよくある6つのパターンをご紹介します。
手口を知ることが自衛に繋がることもありますので、ぜひ最後までご覧ください。
よくある不動産投資詐欺の6つのパターン
不動産投資詐欺といってもさまざまな手口がありますが、中でも代表的なのが以下の6つです。
- 手付金詐欺
- 二重譲渡詐欺
- サブリース詐欺
- 海外不動産投資詐欺
- 入居状況詐欺
- デート商法詐欺
それぞれの手口を詳しく見ていきましょう。
手付金詐欺
「優良物件なので、キープのために手付金を払ったほうがいい」
「他にもこの物件を検討中の人がいるので、先に手付金を払っておきましょう」
そうした文句で手付金の支払いを促し、お金を受け取ったらそのまま連絡が取れなくなってしまうパターンが手付金詐欺です。
何かと理由をつけて手付金を強要してくる場合、詐欺の可能性を疑ったほうがいいでしょう。
また、安易に手付金を支払ってしまわないよう注意が必要です。
二重譲渡詐欺
不動産の法的な所有権は「お金のやり取りが発生したとき」ではなく、「法務局で登記手続きが完了したとき」に主張できるようになります。
この仕組みを悪用したのが二重譲渡詐欺です。
このタイプの詐欺では、物件が売却済みあるいは他にも購入希望者がいるにも関わらず、その情報を伏せたまま第三者に物件を販売します。
仮に3人の投資家が物件の代金を支払ったとしても、実際に不動産を所有できるのは先に登記処理を済ませた1人のみ。
残る2人は代金を無駄に支払ったのみで、不動産を手に入れることができません。
サブリース詐欺
サブリース(家賃保証)契約とは、不動産管理会社が大家から投資用物件をまるごと借り上げ、入居希望者に対して転貸し(又貸しとも)する運用方法です。
この方法で契約すれば、空室の有無に関わらず、事前に取り決めた家賃(一般的に、本来の家賃の8〜9割程度)が管理会社から支給されることとなります。
「万が一空室が発生しても、必ず一定の家賃が得られる」とだけ聞くと大家にはメリットしかないように感じますが、
- 一定期間が過ぎると大幅に家賃が減額されてしまう
- 大家の希望だけでは契約を解除できない
- 空室時の免責期間がかなり長めに設けられている
など、大家が大きな不利を被る契約内容となっている場合があるのです。
もちろん、「サブリース契約=詐欺」というわけでは決してありません。
しかし、家賃が保証されるという大きな魅力を隠れ蓑にした詐欺まがいの契約が横行していることも事実です。
サブリース契約を結ぶ際は、「家賃保証」という甘い言葉に惑わされず、必ず契約内容を細かくチェックするようにしましょう。
海外不動産投資詐欺
海外の投資用物件を購入するからといって、わざわざ現地まで実物を確認しに行く余裕がある方はごく少数でしょう。
そうした状況を逆手に取り、実態のない物件を販売したり、実際の価格よりも高値で販売したりしてお金を騙し取るのが海外不動産投資詐欺です。
この詐欺に引っかかると、大金を支払ったにも関わらず収益性の低い物件を押し付けられたり、物件自体が手に入らなかったりする恐れがあります。
入居状況詐欺
実際には空室が目立つ物件にも関わらず、事前にサクラや仲間などを入居させ、満室を装うパターンの詐欺です。
満室であるため高い利回りが期待できると謳い、相場より高い物件価格を設定しているケースも少なくありません。
これに気付かず物件を購入してしまうと、購入直後からサクラ達の退去が相次ぎ、期待していた家賃収入が得られなくなってしまいます。
デート商法詐欺
恋愛感情につけ込み、投資用物件の購入を迫ってくる手口です。
近年では、婚活パーティーやマッチングアプリを利用して近づき、デートを繰り返して親密になったところで投資話を持ち出すというパターンが主流となっています。
持ちかけられた投資話を検討する際は、ひとまず冷静になり、相手の素性をよく確かめるようにしましょう。
とはいえ、デート商法詐欺のプロは恋愛感情の揺さぶりに長けているため、ひとりでは冷静な判断を下せない可能性があります。
気になる相手から投資話を持ちかけられた際は、自分ひとりで悩まず、信頼できる第三者に状況を相談してみることをおすすめします。
まとめ
こうした投資詐欺に引っかからないためには、何よりもまず、信頼できる不動産会社を見つけることが一番です。
詐欺の手口は極めて巧妙で、いくら気をつけて契約内容をチェックしたり、実態を確認したりしていても騙される恐れがあるため、プロの手助けが必要なのです。
同時に、セミナーや書籍を活用し、相手が言っていることが正しいかどうか見極めるための知識を身に着けておくことも重要です。
なお、「クーリングオフできるから大丈夫」と執拗に勧めてくる不動産会社には注意が必要です。
宅建業法上、クーリングオフができるのは喫茶店や自宅、勤務先など、「冷静な判断ができない」とされる状況下において購入申し込みをした場合のみに限られます。
不動産会社の事務所や、自ら指定して自宅や勤務先などで購入の申し込みをした場合、クーリングオフ制度は利用できません。
その事実を隠したままクーリングオフを盾に迫ってくる場合、悪徳業者であると考えたほうがいいでしょう。