コラム
入居者が求める人気設備はこれだ!選りすぐりの設備で安定した賃貸経営を
数ある賃貸物件の中から自分が所有する物件を選んでもらうためには、入居者が求める設備の導入が欠かせません。
人気の設備は、入居者の世帯構成や年齢性別はもちろん、時代によっても変動します。
ランキングから最新の人気設備を読み取り、物件に反映させることで、安定した賃貸経営を実現しましょう。
「バス・トイレ別」「エアコン」はあって当然の時代
まずは、SUUMOの調査で「あって当然」とされる設備を見ていきましょう。
対象は、賃貸物件に一人暮らしをしている20~30代の男女です。
「付いていて当たり前」「付いていない家は借りない」とされている設備なので、できるかぎりマストで備えておきたい項目です。
順位 | 設備 | 投票率 |
1位 | バス・トイレ別 | 63.8% |
2位 | エアコン | 61.7% |
3位 | クローゼット | 43.7% |
4位 | フローリング | 36.7% |
5位 | 2階以上 | 34.7% |
6位 | 独立洗面台 | 33.3% |
7位 | TVモニター付きインターホン | 29.6% |
8位 | コンロ2口以上 | 25.7% |
9位 | マンション(鉄筋コンクリート構造) | 24.3% |
10位 | ガスコンロ付きキッチン | 23.5% |
※11位以下省略
1位の「バス・トイレ別」と、2位の「エアコン」が頭一つ飛び抜けて60%台という結果になり、これらの設備の人気の高さが伺えます。
ひと昔前は3点ユニット・2点ユニットの物件が一般的でしたが、2010年頃からは徐々に下火に。
一般的に、3点ユニットの物件は融資審査の評価も大きく下がる傾向にあり、好条件で融資を受けることが難しいという点にも注意が必要です。
地球温暖化による酷暑・厳冬化が進んだ昨今では、エアコンの存在も欠かせません。
毎年夏になるとエアコンをつけていない室内での熱中症事故が頻繁に報道されており、入居者の快適性と安全を守るためにも、エアコンはマストで備えておきたいところです。
【ターゲット別】人気設備ランキング
続いて、全国賃貸住宅新聞が調べたターゲット別の人気設備ランキングを見てみましょう。
それぞれ「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」とされている人気設備です。
単身者向け物件 | ファミリー向け物件 | |||
順位 | 設備 | 順位 | 設備 | |
1位 | インターネット無料 | 1位 | インターネット無料 | |
2位 | エントランスのオートロック | 2位 | 宅配ボックス | |
3位 | 宅配ボックス | 3位 | エントランスのオートロック | |
4位 | 浴室換気乾燥機 | 4位 | 追い焚き機能 | |
5位 | ホームセキュリティ | 5位 | システムキッチン |
※6位以下省略
どちらの物件でも「インターネット無料」が1位にランクインしている点では同じですが、2位以下は顔ぶれ自体も大きく異なっています。
とりわけターゲット属性による違いが顕著なのが、単身者向け物件の「浴室換気乾燥機」と、ファミリー向け物件の「追い焚き機能」でしょう。
単身者は日中に洗濯物を干したり、急な雨に対応したりすることが難しいため、浴室換気乾燥機のニーズが高くなっています。
一方のファミリー層は、日中でも家に誰かがいる可能性が高いこともあって、浴室換気乾燥機のランキングは7位となっています。
複数人がお風呂に入るファミリー向け物件では、追い焚き機能が4位にランクインしています。
しかし、単身者の場合はお湯を温め直す必要がほとんどないため、追い焚き機能は15位以内にランクインすらしていません。
このように、狙いたいターゲット層によっても備えておくべき設備は異なります。
人気の設備だからといって飛びつくのではなく、ご自身の所有する物件がどんな層に需要があるのか、あるいはどんな層を狙っていきたいかをまず考える必要があります。
実は不人気な「なくてもいい設備」もチェック
先の段落でご紹介したSUUMOの調査を再び見てみましょう。
今度は「家賃が高くなるなら、なくてもいい」と思われている設備のランキングです。
順位 | 設備 | 投票率 |
1位 | 床暖房 | 46.6% |
2位 | 浄水器 | 40.3% |
3位(同率) | 新築 | 39.1% |
3位(同率) | 床下収納 | 39.1% |
3位(同率) | 管理人さんがいる | 39.1% |
※6位以下省略
上位の「床暖房」と「浄水器」は、前回の調査に引き続き2トップという結果に。
3位以降も、いわゆる「贅沢な設備・仕様」と思われがちなものがランクインしています。
同率3位には「新築」がランクインしており、必ずしも「新築だから借り手がつきやすい」というわけではないことが明らかになりました。
無理に物件価格が高い新築物件に手を出さず、多少古くても人気設備が充実した物件を探す、というのも有効な選択肢でしょう。