コラム

築古マンション投資は本当に儲かる?注意点を抑えて高利回りを実現

建設されてから一定以上の期間が経過した「築古マンション」。

新築マンションと比べると物件価格が安く済むため、投資用物件として購入を検討している方も多いのではないでしょうか。

魅力がいっぱいある一方で、購入時には注意点も多い築古マンション。

この記事では、そんな築古マンションについて詳しく解説していきます。

築古マンションとは

「築古」の定義は不動産会社によってさまざまですが、一般的に、築25~30年以上が経過したマンションを「築古マンション」と呼びます。

かつては「設備が古く、内装も汚い」という印象が強かった築古マンション。

しかし、リフォームやリノベーション、DIYなどの選択肢が増えたことによって、近年では中古マンション市場の取引がたいへん活発化しています。

上記は不動産売却・査定の「イエウール」がレインズデータを元に集計したグラフを参考に作成した、「実際に成約につながった中古マンションの築年数別成約率」のグラフです。

2010年時点では「~築15年」までの比較的築年数が短い中古マンションの成約比率が過半数を占めていましたが、徐々に築古マンションの割合が増加。

2021年には築古マンション(「〜築30年」と「築30年〜」)の割合が全体の40%弱にのぼり、築古マンションの人気が年々上昇していることが伺えます。

住居として築古マンションを選ぶ人が増加傾向にある昨今。

この流れを受け、築古マンションを利用した不動産投資の勢いも増しつつあります。

築古マンション投資のメリット

そんな築古マンション投資のメリットは、主に以下の4点です。

  • 物件価格が非常に安い
  • 高利回りが期待できる
  • 立地や専有面積に優れた物件が多い
  • リフォームやリノベーションで資産価値を向上させることができる

物件価格が非常に安い

築古マンションを選ぶ最大のメリットが、物件価格の安さではないでしょうか。

新築マンションの場合は購入資金が億単位になることも珍しくありませんが、築古マンションでそこまで高額な物件はごく稀です。

そのため「自己資金が少ない方でも、築古マンション投資であればチャレンジしやすい」というメリットがあります。

高利回りが期待できる

物件価格が安いぶん、高い利回りが期待できることもメリットのひとつ。

もちろん新築マンションに比べれば家賃相場は下がりますが、好立地の物件を選んだり、ターゲットニーズに沿ったリノベーションを施したりなどの工夫を凝らせば、きっと期待以上の家賃で入居者を集めることができるはずですよ。

立地や専有面積に優れた物件が多い

駅の近くや商業施設の近くなど、住環境が整ったエリアには率先してマンションが建設されるもの。

そのため、すでにある物件を取り壊さない限りは新築マンションを建設することができず、立地面では新築よりも中古マンションに軍配が上がる傾向にあります。

今より25年以上も前に建てられた築古マンションであれば、かなり好条件のエリアに建てられていることも多いはず。

加えて、ひと昔前のマンションは専有面積が広めに設けられていることも多いため、好立地で広々とした生活を送ることができるのです。

リフォームやリノベーションで資産価値を向上させることができる

リフォームやリノベーションといった選択肢が身近になった昨今。

大掛かりなリノベーションを行えば、古びた築古マンションを現代的なおしゃれ空間に生まれ変わらせたり、ペットと一緒に暮らせる夢の空間を作り上げたりすることも可能です。

そうしたリフォームやリノベーションを賢く活用すれば、築古マンションの資産価値を劇的に向上させることができますよ。

築古マンション投資のデメリット

さまざまな魅力を備えた築古マンション投資ですが、もちろんデメリットもあります。

デメリットを頭に入れておき、築古マンション選びの際の判断材料にしましょう。

  • 新耐震基準(1981年~)以前の築古マンションに注意
  • 配管などの設備が劣化している場合がある
  • 管理費が上昇する恐れがある
  • 修繕費が高額になるケースも

新耐震基準(1981年~)以前の築古マンションに注意

築古マンションでもっとも大きなデメリットは耐震性の問題です。

1981年以降に建設されたマンションには「新耐震基準」が適用されていますが、それ以前の「旧耐震基準」は最大震度5強程度の地震を想定したものとなり、それを超える巨大地震発生時には高い倒壊・損壊リスクを伴います。

たとえ立地や間取りが魅力的な築古マンションであったとしても、旧耐震基準で建てられたものであれば、入居者集めのハードルが一気に高くなってしまうことでしょう。

マンションは建設に時間がかかるため、1981年以降に完成した築古マンションであっても旧耐震基準が適用されている場合があります。

必ず対象マンションの建築確認申請の受理日を確認し、新耐震基準が適用されているかどうかを確認するようにしましょう。

配管などの設備が劣化している場合がある

管理が行き届いていないマンションでは、劣化した配管から漏水してしまうケースがままあります。

築年数が経過した築古マンションであれば、さらに配管の劣化リスクが高まります。

配管が劣化していると高額な修繕費が生じたり、入居者とのトラブルに繋がったりする恐れがあります。

また、配管の劣化に備えるために保険加入が必要になることもあり、経費がかさむ可能性もあります。

管理費が上昇する恐れがある

マンションの適切な運営には管理費が欠かせませんが、マンションの築年数や状態などによっては管理費が上昇する可能性があります。

修繕の頻度や規模が大きくなりがちな築古マンションの場合、管理費が上昇する可能性はさらに高いと考えられます。

管理費が高額になってしまうと入居者を集めづらくなってしまうため、注意が必要です。

修繕費が高額になるケースも

新築や築浅のマンションよりも修繕頻度が高く、さらに修繕規模も大きくなりがちな築古マンションには、突然高額な修繕費が必要となるリスクも付随します。

築古マンションの購入を検討する際には、近いうちに修繕が発生しそうな箇所はないかどうかを入念にチェックするようにしましょう。

築古マンションを購入する際の注意点

賢く選べば高い利回りが期待できる一方で、耐震性の不安や高額な修繕費なども抱える築古マンション投資。

そんな築古マンション投資を成功させるために、購入時には以下の注意点を必ず押さえておきましょう。

  • マンションの耐震性は必ずチェックする
  • リノベーション可能な物件かどうか確認する
  • 現地調査を入念に行う
  • マンションの管理状況を確認する

特に「旧耐震基準で建てられていた」「リノベーション不可の物件だった」などが購入後に発覚した場合、期待していたものとはかけ離れた運用になってしまう恐れもあります。

立地や周辺環境、表面利回りなどにばかり気を取られず、すみずみまで入念にチェックするようにしましょう。

まとめ

物件価格の安さや立地のよさをはじめ、さまざまなメリットがある築古マンション。

年々築古マンションの成約比率が高まっていることからも、築古マンションへの賃貸需要は今後も高まっていくことが想定されます。

築古マンションを賢く選んで、高い利回りでの不動産投資を実現しましょう。

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